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シンボルとなったこの鬼が、町おこしの守護“神”となり、鬼ミュージアムが文化交流の拠点となることを願うものである。

 

3 成果と課題
鬼サミットの持ち回わり開催が示しているように、近時各地で地域おこしに鬼が担ぎ出されており、当町の場合もその流れに沿ったものといってよい。しかしこの種の伝説や神話を取上げる場合、その意味や意図が明確でないと、いっときの話題を提供しても、事業を継続して行くのは容易でない。当町の場合、一連の鬼の里づくり事業は主として行政サイドで推進され、当初住民間に十分なコンセンサスが形成されていたとはいいがたい面があった。また「鬼の館」をはじめハード面の整備、いわゆる「箱もの」づくりが先行した形となっており、資料の系統的な収集をはじめソフトの充実が今後の課題といってよい。もっとも平成5年に「鬼を語る会」が発足したのをはじめ、「町づくり研究会」「町づくり塾」などが生れ、ようやく住民の間に郷土の歴史や文化に対する関心が高まりつつある。鬼を生かした芸能(鬼面太鼓)の創成や特産品づくりなども試みられている。鬼の公衆トイレや電話ボックスなどは、町の「ディズニーランダゼイション(ディズニーランド化)」の典型とされ、批判もされているが、地域おこしの活気が実体化するとき、これらは地域おこしのシンボルとして愛されるものになるだろう。その意味で当町における鬼の里づくり事業の成果は、今後における住民のいっそうの理解と協力にまつところが大きく、その成果に期待したい。

 

 

 

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